四柱推命には、それぞれ10種類の運命の星があります。その1つの星である「偏財星」。
偏財星は文字通り財を表す星ですが、正財星の堅実な財、蓄積の財とは異なります。流通する財、流動資産を表します。
家族関係で見ると父親を表し、男性にとっては愛人、もしくは妻を表します。ですからこの星を持つと、男性は女性運や金運に恵まれますが、その反面で蓄積されない流通財であるために、金銭を浪費する暗示もあります。
命式中に財星が多いとその傾向が強まります。金銭や愛情面でのトラブルが多くなります。特に身弱の場合は、財星が多いと財のために災いを被りやすくなるので細心の注意が必要です。
偏財星と正財星の二星が命式中にあることを「正偏交集」といい、運命的に多集多散となりがちで、男性は女性関係が乱れる傾向があります。また、偏財星が命式中に多いと、かえって父親との縁が薄くなることとなります。
そんな四柱推命の星の1つである偏財星の運命、仕事運や恋愛運などというのをこれから見ていきましょう。
目次
年柱に偏財星
代々、養子型の家柄に生まれることが多くあります。祖父または父親が養子のことがありみあす。特に空亡していると、父親は幼少期に他の家で育つことがあります。
裕福な家柄の方が比較的多いですが、比肩星や劫財星があればそれほど裕福ではありません。これらの星があり、かつ裕福な家に生まれた場合は、遺産相続争いをする暗示があります。
一般的に若い頃は金銭に不自由しないのですが、蔵干に比肩星があると困窮することがあります。早い時期から確かな蓄財方法を考え、実践することが大事です。
月柱天干に偏財星
資産家の生まれの方が多いですが、比肩星が多いと財産争いが起こります。また、男性は女縁が多くなる傾向があります。
日柱蔵干に偏財星
配偶者を表す日柱蔵干に偏財星があると、愛情豊かでスケールのとても大きいタイプの配偶者と縁があります。男性は、他柱にも偏財星や正財星があると女性問題を起こしやすいので、愛情面でのトラブルに注意が必要となります。
時柱に偏財星
中年以降に富を得るチャンスがあります。そのチャンスを掴むことができれば財を築くことができます。ただし、命式中に比肩星が多いと、その財を子孫に残すことができない暗示となります。また、駅馬が同柱にある人は、他郷に移ることで開運するといわれています。ただし、違う十二運が強い場合に限ります。
元命(月柱蔵干)が偏財星
博愛と奉任の星である偏財星を元命に持つ人は、明朗で誰とでも仲良くできる社交性豊かなタイプです。
話題も豊富で、人をひきつける魅力にあふれています。サービス精神も旺盛で、面倒見のよい人柄ですので、大勢の人から慕われ、特に男性は女運があり、命式中にこの星が多くなると恋多き人生を歩むことになりがちです。
人付き合いのよさは他に類を見ないほどで、交際費も惜しまずに使うため、収入が多くても支出も多く、多集多散の傾向があります。お洒落で身を飾るタイプが多く、特に女性は髪形、男性はスマートでダンディーなスタイルに注意をはらう人が多いようです。
偏財星の仕事運
社交性がとてもあり、行動派で商才がありますので商売や事業、または金銭を扱う仕事に適しています。
また、派手な活動家でもあるところから、サービス業、芸能関係、芸能方面の仕事も適職となり、空亡、沖、刑されていなければかなりの成功が期待できます。
偏財星の金銭運
金運のある生まれで、金銭には不自由しませんが、流通の財を表す偏財星ですので、お金の出入りが激しく、なかなか思うような蓄財とはいきません。人によっては、けちとなり、金銭に固執してしまうタイプもいますが、いったん財を成すと気前よく浪費することが多いようです。
偏財星が空亡していたり沖や刑されていると、金運には恵まれない傾向となります。身弱で、財星が太過していると、金銭のための苦労が多いか、浪費型となりがちです。できる限り堅実な蓄財を心がける必要があります。
元命と月柱天干運命星との組み合わせによる暗示「偏財星」編
【比肩星とともにある場合】
〈性格面〉
社交的ななりには気難しくて真面目ですが、かなり頑固で強情なところがあります。能力があっても、うまく発揮することができず不遇となりがちで、人生に苦労が多い傾向があります。また、兄弟とは財産争いをする暗示もありますので注意が必要です。
〈仕事面〉
本業に徹することがとても大切で、副業に手出しをすると失敗の憂き目にあうおそれがあります。
〈金銭面〉
金銭のトラブルが生じやすい暗示があります。特に財産争いなどのトラブルには注意が必要です。また、共同事業などでも金銭トラブルが生じやすいので、共同事業は避けるのが無難でしょう。
【劫財星とともにある場合】
〈性格面〉
堅実性に乏しいタイプで、口ほどに行動がともなわないところがあります。特に、金銭トラブルや異性関係での乱れに注意が必要で、男性は家庭生活を乱さないように心がけるべきです。
〈仕事面〉
実力がともなわない仕事に自分を賭けがちで苦労がかなり多くなります。また、仕事上のトラブルなどで損害を被ることが多く、注意が必要になってくるでしょう。
〈金銭面〉
金銭管理能力に欠ける人が多く見られる傾向があります。収入のわりには支出ばかりが目立ちます。どんなに小額でも蓄財する心がけと、金銭トラブルを起こさない心構えが大事です。
【食神星とともにある場合】
〈性格面〉
温厚で誠実な人柄です。人をひきつける魅力にあふれています。苦労なく人生を歩める幸運を持っていて、福徳にも恵まれています。
〈仕事面〉
サラリーマンなら目上や上役に引き立てられる幸運があります。また、商売や事業を興しても発展がかないそうです。
〈金銭面〉
金運に恵まれており、支出があっても思わぬ収入があったりして、派手さはあまりありませんが、余裕のある生活を楽しめます。
【傷官星とともにある場合】
〈性格面〉
とても才能豊で知力に優れるタイプが多く見受けられます。実行力に富んだ実践はですが、男性は女性問題を起こしやすいので注意を要することになるでしょう。
〈仕事面〉
芸術や学術、または技術方面に優れたものを持っていますので、特殊な才能を生かす仕事につけば、非常に発展する可能性があります。
〈金銭面〉
虚栄心からの浪費や遊興費への浪費を慎めば、安定した財運となります。
【偏財星とともにある場合】
〈性格面〉
太っ腹なところがあり、思い切りのよい性格をしています。福分の厚い生まれで、何事もスムーズに展開していきます。しかし、男性は遊び好きで女性問題を起こしやすく、特に他柱にも財星があるとその傾向が強まります。女性は男性に尽くし、貢ぐタイプが多いようです。
〈仕事面〉
出世運に恵まれ、どのような仕事であっても発展する可能性があります。サラリーマンはもとより、自営や共同事業でも成功できます。
〈金銭面〉
財運に恵まれていますが、気前良く散財するタイプです。特に男性は、女性のための散財が多く、女性は男性に貢ぐところがあります。
【正財星とともにある場合】
〈性格面〉
外と内とが違うところがとても多く、明るく豪快に見えても思いのほかとてもナイーブだったりします。裕福そうに見えても内情は火の車だったりします。その様な二面性があります。男性は二人の女性と縁ができやすいので、結婚後は強い自覚が必要でしょう。
〈仕事面〉
本業以外に副業やサイドビジネスを持つことがあります。身旺の場合は二つの業務を持つ力がありますが、身弱の場合はかなりの苦労をする結果になり勝ちですので気をつけてください。
〈金銭面〉
社交上の出費は惜しまないため、金銭上の出入りが激しく、豊そうに見えても内情は苦しいことが多いようです。計画的な蓄財を実践しましょう。
【偏官星とともにある場合】
〈性格面〉
野心にあふれるタイプで、権力志向がとても強いのが特徴です。苦労が少なく、比較的物事がスムーズに運ぶ傾向がありますが、あまりにも傍若無人ぶりを発揮するとつまずくことになります。
〈仕事面〉
仕事において発達する暗示がありますが、転業や転職を繰り返すと苦労が多くなります。他柱に正官星がある人は、その傾向が強まります。
〈金銭面〉
浪費傾向があり、一時的に財を得ても金銭には無頓着ですので散財が多くなる傾向があります。地道な蓄財を心がければ、とてもゆとりのある生活が得られるでしょう。
【正官星とともにある場合】
〈性格面〉
真面目で純粋なタイプです。責任感が強く、曲がったことを嫌いますので、若い頃はかなりの苦労が大きいようですが、他柱に傷官星がなければ順調な発展が得られます。
〈仕事面〉
苦労が多い暗示がありますが、傷官星が他柱になければ、出世運にも恵まれ地位や名誉が得られるタイプです。
〈金銭面〉
若い頃は苦労する傾向がありますが、苦労が実になることも多いようです。苦労すればするほど蓄財にも関心を持ち、豊かな実りを手にすることが可能です。
【偏印星とともにある場合】
〈性格面〉
無口ですが真面目で温厚なタイプです。福力の厚い生まれで、社会的地位を築き上げる底力を持っていて、財にもとても恵まれています。
〈仕事面〉
自由業や自営業での発展や発達の暗示があります。確固たる地位を築きます。また、二業を持つことも可能なタイプです。
〈金銭面〉
初めは苦労しても、財に恵まれているため、地位の向上とともに上昇していき、豊になります。
【印綬星とともにある場合】
〈性格面〉
なかなかの策謀家で、機転がとても利きます。人あたりもよく、面倒見がよいタイプですが、見栄っ張りなところが玉にきずといえるでしょう。
〈仕事面〉
専門的な才能を生かせる自由業や自営業がよく、規律の厳しい仕事には向いていません。多角経営やサイドビジネスも上手くやりこなせ、発展させることができます。
〈金銭面〉
収支のバランスを崩すことが多く、支出増の傾向があります。経済感覚は優れたものがありますので、派手好みな面をいかに抑えるかがポイントとなります。
恋愛・配偶者運「偏財星」編
世話好きで、なかなか社交派ですので、交際範囲がとても広く、男女ともに異性にモテル人が多いようです。しかし、比肩星とともにある場合は、異性問題で金銭トラブルを生じることがあり、また劫財星とともにある場合は、色情の過ちを犯しやすくなりますので注意が必要になってきます。
男性は、異性運に恵まれるせいか、多情なところがあります。そのために女性問題を起こしやすい傾向があります。特に、偏財星や正財星がともにある場合はその傾向が強く表れ、結婚後は、家庭に波風を立てないように慎重に行動した方がいいでしょう。
女性は、よく気がつき愛情豊かで、とても尽くすタイプが多く見られます。特に偏財星とともにある場合は、その傾向が顕著に表れます。また、偏官星とともにある場合にもその傾向が見られ、恋人や夫のために苦労や悩みが多くなります。
自分にとってどのようなタイプの配偶者に縁があるのかというのは、日柱蔵干の運命星で判断します。また、日柱の十二支と月柱の十二支の沖や刑、支合も配偶者を見る上で重要なポイントとなります。
日柱と月柱が沖や刑(沖の方が暗示が強い)であれば、夫婦の絆がもろく、何かの折にはとても簡単に絆が切れてしまうことがあります。
日柱と月柱が支合であれば、夫婦の絆が強く、仮に別れたいと思っても、なかなか絆が切れずに別れられないことが多いようです。
それでは偏財星のそれぞれの恋愛運や配偶者運を詳しく見てきましょう。
【日柱蔵干が比肩星や劫財星の場合】
比肩星は、生一本でマイペースな配偶者に、劫財星は気難しいところのある配偶者に縁があります。家庭的にはトラブルがかなり多く、波風が絶えない暗示がありますので、相手の気性をよく飲み込んで生活することがポイントになってくるでしょう。
【日柱蔵干が食神星の場合】
ノンビリ型で温厚なタイプの配偶者と縁があります。あなたにとってもよい配偶者となりますので、あまり心配をかけないように心遣いが必要になってくるでしょう。
【日柱蔵干が傷官星の場合】
あなたにとってはよい配偶者となりますが、好き嫌いがとても激しく、感情の起伏の激しい相手だけに苦労します。一旦こじれると溝が深まりますので注意してください。
【日柱蔵干が偏財星の場合】
同じような性格の配偶者と縁があります。喧嘩をしても仲直りは早く、夫婦仲はビックリするくらいに悪くありません。
【日柱蔵干が正財星の場合】
何をするにも正確できちんとしている配偶者に縁があります。夫婦仲はあなた次第のところがあるので、あまりハメをはずさないように心がけていく必要があります。
【日柱蔵干が偏官星の場合】
とても活動的な相手で、あなたが身弱の場合は苦労が多くなります。
【日柱蔵干が正官星の場合】
誠実で真面目なタイプの配偶者と縁があります。特に女性は恵まれた結婚生活が営めることでしょう。
【日柱蔵干が偏印星の場合】
自由気ままな個性派タイプの配偶者に縁があります。あなた自身のコントロール次第で夫婦仲はとても円満になります。
【日柱蔵干が印綬星の場合】
学究肌タイプの配偶者に縁があり、特に身弱の人は配偶者に助けられることがかなり多くなります。