四柱推命には、それぞれ10種類の運命の星があります。その1つの星である「正官星」。
偏官星が、自分自身を激しく剋害する凶星であるのに対して、正官星は正しく自分自身を導いていく星、制する星となります。日干をとても上手にコントロールする吉星となります。したがって日干を正しく制する星であることから、規律、地位、名誉の星となります。そのことから誠実、品行方正を表します。
家族関係にとると、男性にとっては子供の星を表し、女性にとっては夫の星となります。
正官星は吉星であるため、沖や刑、空亡されると、その吉兆を発揮できません。また、命式中に傷官星や殺星(偏官星)があると、正官星の良さ発揮されない傾向があり、職業に不安定さがつきまとってしまいます。そのため転職や転業が多くなります。女性は夫に苦労したり、異性関係が乱れてしまったりします。
また、正官星が太過する(三つ以上ある)と偏官星と同様に「殺」星となって自分自身(日干)を責め、剋害することになり、健康面や金銭面においても支障が出てきます。女性の場合は、逆に夫縁に恵まれないことも出てきます。
そんな四柱推命の星の1つである正官星の運命、仕事運や恋愛運などというのをこれから見ていきましょう。
目次
年柱に正官星
家柄がとてもよく、祖先の徳の厚い生まれです。特に正財星とともにある場合ですと、由緒正しい裕福な家庭の生まれとなります。また、長子でなくても家督を継ぐことがあります。
とても強い引き立て運があり、おおむね順調で恵まれた人生を送ることができるでしょう。
月柱天干に正官星
金銭的には比較的淡泊で、それよりも何よりも名誉を重んじるタイプです。
人一倍の努力をする努力家で、成功運にも恵まれています。実力、素質ともリーダーとして十分に活躍できる力量を備えている特徴があります。
日柱蔵干に正官星
配偶者の座に正官星があると、真面目で堅実派の配偶者と縁があります。男性は、懸命で内助の功が厚い妻を得ることができます。女性は愛情のとても厚い夫に恵まれます。
家庭生活は、おおむね円満で幸せですが、命式中に傷官星もしくは偏官星があると、家庭生活が不安定となり、トラブルが絶えない暗示があります。
時柱に正官星
帰宿の地(時柱)にある正官星は、節制の官といい、年、月に凶星があってもそれを制するといわれています。そして晩年に発達する暗示があります。
よい子供に恵まれ、老後はとても安泰ですが、傷官星とともにある場合ですと不安定になりがちです。
元命(月柱蔵干)が正官星
頭脳明晰で、温厚誠実な人柄をしています。金銭よりも地位や名誉を重んじるタイプで、礼儀や節度をとても大切にします。
気位が高く、几帳面で融通性に乏しい面がありますが、勤勉な努力家であるため、社会的発展が望めます。
正官星の仕事運
名誉や信用、または職業や地位を表す正官星を元命に持つ人は、誠実で礼儀正しい人です。正確な仕事をしますのでとても信用され、どの分野においてもかなりの成功を収めることができます。
しかし、命式中に傷官星や偏官星があると、転職しやすくなってしまい、仕事運が不安定になります。変転を繰り返さないように心して勤務に励んだ方がいいでしょう。
公官庁勤務、公務員、法律家、サラリーマンであれば大企業などの有名企業勤務がよく、空亡や沖、刑していなければ、政治家など官界に進んでも発達が期待できます。
正官星の金銭運
生来金運に恵まれている生まれです。無駄を嫌い虚栄を好みません。沖や刑、空亡していなければ、仕事運の上昇にともなって金運も上昇し、物心両面ともに恵まれることでしょう。
元命と月柱天干運命星との組み合わせによる暗示「正官星」編
【比肩星とともにある場合】
〈性格面〉
向上心にとても富んでおり、その上真面目な努力家です。他柱に傷官星がなければ、独力で自分の道を開き、発達する気運に恵まれます。
〈仕事面〉
頭の回転が速く努力家ですので、どのような職種でも人の上に立って活躍することができます。
〈金銭面〉
仕事運の上昇に伴って、金運が安定します。堅実派なので、着実に蓄財すれば生活は安泰になります。心配することはないでしょう。
【劫財星とともにある場合】
〈性格面〉
トラブルや支障があっても誠実でまじめな性格のため、万難を排して最後までやり切り抜きます。他柱に傷官星がなければ、大きな成功を手に入れることが可能です。
〈仕事面〉
サラリーマンであれば安泰ですが、商売などでは安定は難しいでしょう。特に金銭面に関してのトラブルには注意が必要です。
〈金銭面〉
他人のために散財が多く、金銭損失の暗示もあります。不安定になりがちになってしまいます。ルーズにならず、確実な蓄財プランを立てて実践しましょう。
【食神星とともにある場合】
〈性格面〉
非常に福力が厚く、温厚で柔和タイプとなります。自分の好きなことができる恵まれた運を持っていて、女性はとてもよい夫に恵まれます。結婚によって幸せを掴むことができます。
〈仕事面〉
自分のやりたい仕事、好きな仕事が成功へとつながる恵まれた仕事運を持っています。他柱に傷官星がなければ、社会的地位にも恵まれ発達します。
〈金銭面〉
恵まれた金運ですが、遊興費やレジャー費などに散財が多い傾向があります。無駄をはぶいて貯蓄に励めば、安泰で豊になるでしょう。
【傷官星とともにある場合】
〈性格面〉
真面目で几帳面ですが、プライドが非常に高く、わがままで子供っぽい面があります。現実を直視せずに夢ばかり追い求めるところがあるため、人生に障害が多くなります。また、他人のために損をするようなことがあり、用心が必要です。
〈仕事面〉
何かと障害が多く、地位や権力を失うような事態に遭遇することがあり、思うようにならない運気です。しかし、芸術方面では、非常に発展する暗示があります。
〈金銭面〉
仕事面の不安定さが金運の不安定さにもつながります。また、人のために損をすることが多く、見栄や体裁からの散財も目立ちます。早目に貯蓄対策を行うことが必要です。
【偏財星とともにある場合】
〈性格面〉
才能に恵まれるタイプですが、気が多いところがあり、なかなか一つのことを達成するのが難しい傾向があります。器用貧乏にならないように根気強さを養うといいでしょう。
〈仕事面〉
どのようなジャンルの職業でも十分にやっていく実力がありますが、仕事によっては人生が左右されやすいタイプですので、早い時期から目的意識を持つ事が必要でしょう。
〈金銭面〉
仕事によって金運に差がありますが、全般的に収入があっても支出が多くなりがちです。
【正財星とともにある場合】
〈性格面〉
温厚なタイプで人望が厚く、大いに発達する気運があります。人からの引き立て運もあり、他柱に偏官星や劫財星がなければ順調な人生となります。
〈仕事面〉
周囲から引き立てられます。そのために社会的発展が望めます。トップに立つ人も多く見られ、経営者となって成功する人もいます。
〈金銭面〉
仕事の成功度に比例して財運にも恵まれます。名誉とともに財力が備わる幸運な生まれです。
【偏官星とともにある場合】
〈性格面〉
穏やかで温和に見えても実際はなかなかのやり手です。強引なところがあります。何かと障害が多く、途中挫折しやすい傾向があり、特に女性は、男性関係が乱れやすいので、情に流されてのスキャンダルを起こさないよう心がけが大事です。他柱に食神星があれば凶意は抑えられますが、異性関係には注意すべきでしょう。
〈仕事面〉
何かと障害が多く、苦労しがちです。サラリーマンであれば、安定感のある公務員などがよいでしょう。
〈金銭面〉
金運に波があります。そのために波乱含みです。他柱に食神星がない場合は、金銭トラブルから窮地に立たされることがあるので、用心が肝心です。
【正官星とともにある場合】
〈性格面〉
なかなかの自信家で、行動力、決断力に富んでいます。非常に強運の持ち主で、何事もやり遂げる力強さがあります。発展する気運を備えています。しかし、正官星が他柱にもある場合は、気力が散漫になりやすく、自己の信念を貫けないタイプになります。
〈仕事面〉
出世運に恵まれており、どのような職種でも発展が早く、地位や名誉が得られ、社会のリーダーとして大成します。しかし、他柱にも正官星があったり、偏官星や傷官星があると、つまずきを生じ、苦難の道を歩む可能性があります。
〈金銭面〉
非常に恵まれた財運を持っています。他柱に官星がなければ、社会的地位の上昇とともに運気は急カーブを描きます。
【偏印星とともにある場合】
〈性格面〉
チャレンジ精神が旺盛で、常に新しいことに興味を持って挑戦するタイプですが、衝動的に事を起こしやすく、その結果損をしてしまったり、厄介事に巻き込まれやすくなってしまう傾向があります。
〈仕事面〉
転職や転業がかなり多く、なかなか職業が定まらない傾向があります。人気商売や特殊技能などを生かす仕事の方が発達します。サイドビジネスは、「労あって功なし」の結果となりそうです。あまりサイドビジネスはオススメしません。
〈金銭面〉
人の世話などで散財が多くなりそうです。交際費が派手になりがちです。金銭損失の暗示もありますので、生活設計を早目に立てることが必要です。
【印綬星とともにある場合】
〈性格面〉
頭脳明晰で頭の回転がとても速く、非常に感性が豊かなタイプです。恵まれた雲気を持っており、福力の厚い生まれです。
〈仕事面〉
順調な仕事運を持っています。目上からの引き立てもあり地位に恵まれます。特に官界に進めば、高位高官に登る可能性があります。
〈金銭面〉
実利より名誉に固執するところがありますが、金銭運は良好なので、特に困るようなことはありません。
恋愛・配偶者運「正官星」編
常に体面を重んじる性格のため、激しい恋に落ちても一時の感情に流されることはありません。社会的な超えない節度を持っています。どちらかと言えば、恋愛よりもお見合いなどで結ばれるタイプといえるかもしれません。
しかし、正官星が太過していたり官殺混雑していると、特に女性は恋愛のトラブルを生じやすくなります。そして男性は、正財星とともにあればとてもよい配偶者に恵まれます。沖や刑、空亡していなければ幸せが得られることでしょう。
女性は、偏官星とともにあると夫運に恵まれません。夫との生死別を味わってしまうことがあります。また、偏官星とともにあると異性問題を起こしやすく、特に他柱にも官星がある場合には、色情面でのトラブルを起こさないように注意が必要になってきます。
正官星である自分にとってどのようなタイプの配偶者に縁があるのかというのは、日柱蔵干の運命星で判断します。また、日柱の十二支と月柱の十二支の沖や刑、支合も配偶者運を見る上でとても重要なポイントとなります。
日柱と月柱が沖や刑(沖の方が暗示が強い)であれば、夫婦の絆がもろく、何かの折には簡単に絆が切れてしまうことがあることでしょう。日柱と月柱が支合であれば、夫婦の絆がとても強く、例えば仮に別れたいと思っていても、なかなか絆が切れずに別れられないことが多いようです。
それでは、それぞれの星との恋愛、結婚した後の配偶者運の相性を見ていきましょう。
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【日柱蔵干が比肩星や劫財星の場合】
とても頑固で強情な配偶者であります。しかもマイペース型です。特に配偶者が劫財星の場合は、家庭的なタイプではありません。あなたとは意見の食い違いが表れやすいでしょう。
【日柱蔵干が食神星の場合】
おおらかでノンビリ型の配偶者と縁があります。偏印星が他柱になければ夫婦仲は円満になります。
【日柱蔵干が傷官星の場合】
気位が高く、感情的なタイプの配偶者に縁があります。あなたとは何かにつけて衝突しがちになってしまいます。他柱に財星がなければ配偶者と生死別のおそれもありますので注意してください。
【日柱蔵干が偏財星や正財星の場合】
あなたにとってとてもよい配偶者と縁があります。そのため結婚生活は安泰で、幸せを得ることができるでしょう。
【日柱蔵干が偏官星の場合】
横柄で乱暴なところがある相手に苦労をさせられることが多くなってしまいそうです。特に女性は、夫のために苦労が絶えなくなってしまいそうです。
【日柱蔵干が正官星の場合】
同じようなタイプの配偶者と縁がありそうです。官星や偏官星が他柱になければ夫婦仲はとても円満です。
【日柱蔵干が偏印星の場合】
自由気ままでとてもムラッ気が多く、扱いづらい配偶者に振り回されがちになることが多そうです。しかし、身弱の人にとっては有り難い相手ともあなることでしょう。
【日柱蔵干が印綬星の場合】
理知的で、非常にあなたの助けとなる配偶者に巡り合えることでしょう。そんな理知的な配偶者を大事にしてください。