四柱推命には、それぞれ10種類の運命の星があります。その1つの星である「偏印星」。
特徴としては副業の星であり、自由業や自営業、改革などの意味を持っている偏印星は、日干を生じる星となります。しかし、食禄や寿命の星である食神星を激しく剋害する星でもあるため、梟神(きょうしん)もしくは倒食(とうしょく)といい、食神星の福徳を奪ってしまう凶星となり、怠惰、孤独、別離、不測の災厄などの意味を持っています。
偏印星が太過(三つ以上あること)すると、成年に達しないうちに片親と生死別する暗示があります。特に身弱の場合は、福寿に恵まれにくいです。男性は、妻子を剋害して生死別するおそれがあります。女性の場合も夫婦の愛情に乏しい生活になりがちになります。
偏印星は凶星であるため、干合されるか偏財星(偏印星を制する星)があると、凶兆が制されます。家族関係で見ると、義母、祖母を表します。また、母親や姑と見ることもあります。女性の命式に偏印星と食神星があると、子供に縁が薄くなります。
そんな四柱推命の星の1つである偏印星の運命、仕事運や恋愛運などというのをこれから見ていきましょう。
目次
年柱に偏印星
長子であっても親の後を継ぐことがとても少ないです。継いだとしても上手くいかず、祖先の恩恵の薄い生まれです。特に、偏印星とともにあるとその傾向が強まってしまいます。
人生に波が多く、自由を好む性格をしていますから、中々、職業が定まらない傾向があります。その反面、技術方面では発達する暗示があります。早いうちから技術方面では活躍することがあります。
月柱天干に偏印星
兄弟との縁が薄い傾向があります。疎遠となることがあることでしょう。また、他柱にも偏印星があると親とも縁が薄くなってしまい、若い頃から親戚の世話になるようなこともあり、家庭環境は不安定になりがちです。才能はあるのですが、人生にとても浮沈みが多くなります。
日柱蔵干に偏印星
配偶者の座に偏印星があると、自由気ままでとてもムラッ気があります。そのため何を考えているのか分からないような配偶者に縁があります。家庭生活は不安定になりがちで、束縛を嫌う相手だけに、干渉し過ぎてしまうと波風がたつことになってしまいます。また、他柱にも偏印星がある場合は、配偶者は怠け者になってしまい、離婚のおそれが出てきてしまいます。
時柱に偏印星
子供縁が薄くなってしまいます。そのため子供が病弱だったり、生死別してしまったりするなどしてしまいます。他にも子供に苦労をさせられそうです。また、晩年が孤独となる暗示があり、苦労が多くなってしまう可能性があります。仕事においては技術関係など特殊な才能を生かす世界では、認められて才能を発揮する人が多い傾向です。
元命(月柱蔵干)が偏印星
頭の回転が速いタイプが多く、巧みにチャンスをとらえて行動する機敏さと、臨機応変な部分は見事としか言えないものがあります。
チャレンジ精神も旺盛で、新しいことに興味をひかれると夢中になって取り組みますが、ムラッ気があり熱しやすく冷めやすいところがあるために、目標を達成することなく終りがちになってしまいます。
ユニークで型破りの才能に恵まれており、学問、技術、芸術面に優れたものを持っていますので、一つのことに粘り強く努力をしていけば、その後はとても素晴らしい成果を得られることができるはずです。
この星を元命とする人は、身旺を喜びます。
身旺であり財星があれば、福力が厚くなります。また、干合されると、吉星のような働きとなります。そのため命式全体が良化されることになります。
偏印星の仕事運
偏印星は副業の星ともいわれています。自由業、転職などを意味しています。
人から命令されたり、規則に縛られたりすることの多い大企業や官庁勤めでは苦労が多くなってしまうことでしょう。そのため自分の才能や力を十分に発揮することができません。精神的にも時間的にも余裕を持てる仕事をすることや、技術や才能を生かせる仕事、変化に富む仕事や未開拓の仕事を選ぶと適正が生かされてきます。そして活躍が期待できることでしょう。
向いている職業は、芸術家、芸能人、医者、作家、コンサルタントやその他にも自由業全般が適職となります。また、偏印星は副業の星でもありますので、本業の他にもアパートやマンションなどの不動産経営をしても成果を得られることができるでしょう。
偏印星の金銭運
波のある金運ですが、時には大金を手にすることもあります。大金を手にすることもあるのですが、持続性に欠け、財産を維持することが難しい生まれです。
副業をつかさどる星でもありますので、サイドビジネスなどの副業や株式投資などに向いているといえますが、無理は禁物です。他の運命星との組み合わせによって違いがあります。
元命と月柱天干運命星との組み合わせによる暗示「偏印星」編
【比肩星とともにある場合】
〈性格面〉
自立心がとても強く、何事も自分の力で成し遂げようとしますが、人の意見を聞き入れない頑固さがネックとなってしまい思うような展開にならずに、起伏のある人生を送りそうです。特に対人関係のトラブルには気をつけましょう。
〈仕事面〉
勤め人などのサラリーマンには向いていません。サラリーマンですと苦労をする傾向があります。自由業など自営業のほうが向いているでしょう。特に芸術面や芸能関係に才能が発揮されます。また、サイドビジネスは失敗する暗示がありますので、慎重さが必要になってくるでしょう。
〈金銭面〉
思わぬ出費があったりして不安定になりがちです。また、仕事における共同経営は金銭トラブルに巻き込まれやすいので注意してください。そのため、共同経営などはしないほうが無難です。
【劫財星とともにある場合】
〈性格面〉
表面はソフトな印象がありますが、強烈な個性の持ち主です。羊刃もともにある場合はその傾向が強く、対人面で難を生じがちになります。そのために人生に波が多く、人に尽くしても報われないことが多くなる傾向があります。
〈仕事面〉
飲食業などに関連した職種で発展する暗示がありますが、共同事業では失敗するおそれがあります。ですが一方で、証券や銀行関係などのお金に関わる職種では思わぬ成功が得られることがあります。ただし、副業ではどのような職種であってもさほどの利益を得ることができないようです。
〈金銭面〉
金銭には細かいタイプが多いようです。副業にも熱心に励みますが、かえって損害を被りやすく、金運にはツキがないところがあります。無駄を嫌う倹約家なのですから欲を出さずに堅実な蓄財方法を心がけると良いでしょう。
【食神星とともにある場合】
〈性格面〉
あまのじゃくなところがあります。そのせいで自分からトラブルを起こして窮地に立たされてしまうようなことがあります。わがままや人に対する態度には十分に注意しないと対人関係に支障を生み出してしまい、穏やかな人生を送れません。女性は、出産時に障害が起こりやすい暗示がありますので、普段から体調への気配りが必要になってくるでしょう。
〈仕事面〉
何かと障害が多く、苦労の多い仕事運となります。特に縁の下の力持ち的な役割を担う仕事では、目が出ずに不本意な結果に終ってしまう傾向があります。そのために転職を繰り返したり失職をしたりしがちです。自分の興味をひく仕事や表舞台で活躍できる仕事のほうが向いており、時代の先端をいく職業なども適職として向いているでしょう。
〈金銭面〉
不測の事態から金銭を損失する暗示があります。そのため不安定な金運です。投機やギャンブルなどには手をつけないほうが安全です。
【傷官星とともにある場合】
〈性格面〉
感情の起伏がとても激しく、熱しやすく冷めやすいところがあります。女性は、夫とのトラブルを起こさないように注意する必要があります。
〈仕事面〉
器用に物事をこなしますので、どのような仕事に就いても無難にこなすことができます。技術、芸術、学術方面においては独得な才能を発揮します。
〈金銭面〉
出費が多い傾向があります。そのために散財しがちになってしまいます。計画性を持って蓄財を心がけることが大事になってくるでしょう。
【偏財星とともにある場合】
〈性格面〉
率直なタイプで、ガッツあふれる頑張り屋です。何事も自力でやり遂げようとする力強さがありますが、父親に苦労をさせられるなど、父親とのトラブルが生じやすい暗示があります。男性は、妻とのトラブルにも注意が必要です。
〈仕事面〉
スムーズな仕事運を持っています。発展も早く、実業界でも成功が見込まれるでしょう。
〈金銭面〉
蓄財を心がければ良いのですが、どうしても無駄遣いが多い傾向があります。また、投機の見込み違いなどにも用心が必要でしょう。
【正財星とともにある場合】
〈性格面〉
社交上手ですので、偏印星が元命の人の中では対人面はとてもスムーズです。しかし、飽きっぽく一貫性に欠ける面には注意が必要です。男性は、妻の内助が得られる暗示を持ちます。
〈仕事面〉
芸能関係や文学、または芸術方面で発達する暗示があります。引き立て運があって、恵まれた仕事運を持ちます。
〈金銭面〉
困ったときには援助があります。金運には恵まれているほうですが、他力本願とならずに将来のためには日頃から蓄財を心がけることも必要でしょう。
【偏官星とともにある場合】
〈性格面〉
次々と新しいことに挑戦するチャレンジ精神旺盛なタイプですが、お節介がたまに傷な面があります。目上の人に反抗したり、何かとトラブルを生じやすい面があります。人生に回り道が多い暗示がありますので、目的をしっかりと持つことが成功への近道となるでしょう。女性は異性関係に注意が必要になってきます。
〈仕事面〉
対人面のトラブルが仕事に影響しやすく、目上や上役とのトラブルが心配される暗示です。専門職を身に付けるほうが安泰となりますが、いずれにせよ早目にしっかりとした地位を築き上げることが大切です。
〈金銭面〉
収入があっても気前良く散財するタイプです。大盤振る舞いが目立ちます。そのため浪費を慎まないと波乱はまぬかれないでしょう。
【正官星とともにある場合】
〈性格面〉
真面目で几帳面ですが、とても反発心が強いところがあります。時として対人面に波風が立つことがります。反抗心は抑えて安泰です。
〈仕事面〉
ユニークな才能に真面目さがプラスされる傾向があります。社会的地位や名誉に恵まれることがとても多く、特に他柱に財星もある場合は、財運にも恵まれます。さらに社会的発展が望めることでしょう。
〈金銭面〉
社会的な発展に財運が伴わないことがあります。見栄や虚栄からの散財はくれぐれも慎んで行動をしたほうが良いでしょう。
【偏印星とともにある場合】
〈性格面〉
個性豊かなタイプが多くなります。親切で人の面度見は良いのですが、好き嫌いが激しくなる傾向があります。そのため人望が得られないうらみがあります。また、片親との縁が薄い傾向があり、女性は子供との縁が薄い傾向があります。
〈仕事面〉
指導者的立場に就く人が多いのですが、不名誉な事件に巻き込まれたり、足を引っ張られたりすることがありますので、注意しましょう。
〈金銭面〉
大きく入って出ていくという具合に、波がとても大きい傾向があります。一発勝負の投機などは、リスクが大きいので慎重さが必要になってきます。
【印綬星とともにある場合】
〈性格面〉
何事にも迷いがなく、気力が散漫になりやすくなります。そのため口ほどにも行動が伴わない傾向があります。頭でっかちにならないように、行動力を身に付けていきましょう。
〈仕事面〉
副業やサイドビジネスなど、二つの仕事を持つことがありますが、成功するには、よほどの努力が必要になってきます。女性はキャリアウーマンとなって活躍をしていくことでしょう。
〈金銭面〉
思わぬ散財が多く、副業や投機は、よほど慎重に行わないと「労あって功なし」ということになりかねません。あまり副業や投機を行わないほうが蓄財のためには良いでしょう。
恋愛・配偶者運「偏印星」編
熱しやすく冷めやすい性質を持っている偏印星ですから、激しい恋も冷めるのがとても早く、恋愛面は波乱含みとなります。花火のような恋愛を繰り返さないよう、享楽的にならない交際を心がけることがとても大切です。特に劫財星とともにある場合は、縁談に支障をきたしやすくなります。交際に波乱が生じたりして苦労が多くなってしまう傾向があります。
男性は、偏財星とともにある場合は、異性問題を起こしやすくなってしまいます。女性は、官星(正官星もしくは偏官星)とともにある場合は、異性とのトラブルに用心が必要となってきます。交際は慎重さが望まれます。また、傷官星とともにある場合は、夫とのトラブルに注意を要します。
偏印星である自分にとってどのようなタイプの配偶者に縁があるのかというのは、日柱蔵干の運命星で判断します。また、日柱の十二支と月柱の十二支の沖や刑、支合も配偶者運を見る上でとても重要なポイントとなります。
日柱と月柱が沖や刑(沖の方が暗示が強い)であれば、夫婦の絆がもろく、何かの折には簡単に絆が切れてしまうことがあることでしょう。日柱と月柱が支合であれば、夫婦の絆がとても強く、例えば仮に別れたいと思っていても、なかなか絆が切れずに別れられないことが多いようです。
それでは、それぞれの星との恋愛、結婚した後の配偶者運の相性を見ていきましょう。
【日柱蔵干が比肩星や劫財星の場合】
マイペースで我の強い相手に縁があります。そして夫婦仲はあなた次第となることでしょう。
【日柱蔵干が食神星の場合】
ノンビリ型の配偶者ですが、あなたにとっては無神経で鈍感なタイプに思えます。夫婦間のトラブルが絶えません。思いやりが大切となります。
【日柱蔵干が傷官星の場合】
とても神経質で感情家の配偶者に縁があります。夫婦円満となるには、あなた自身の努力が必要となります。
【日柱蔵干が偏財星や正財星の場合】
あなたにとってはとても良い配偶者です。あなたの欠点を十分にカバーしてくれる相手ですから、感謝の気持ちを忘れないことが大切です。
【日柱蔵干が偏官星の場合】
短気で猪突猛進タイプの配偶者に縁があります。あなたが気ままにふるまい過ぎると、衝突することがありますので注意をしましょう。
【日柱蔵干が正官星の場合】
とても真面目で誠実な相手に縁があります。あなたがあまりハメをはずさないことが大事です。
【日柱蔵干が偏印星の場合】
同じような性格の配偶者に縁があります。夫婦間にトラブルが多くなる傾向がありますので、注意して夫婦生活を送る必要が出てくるでしょう。
【日柱蔵干が印綬星の場合】
わがままで自己中心的な配偶者に縁があります。意見の相違がとても出やすい相手で、夫婦仲は必ずしも良いとは言えません。どこか冷たさが漂ってしまう間柄となってしまいます。