宿曜占星術(しゅくようせんせいじゅつ)は、正式名称を…
「文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経」
(もんじゅしりぼさつおよびしょせんしょせつきっきょうじじつぜんあくしゅくようきょう)といいます。
名前が非常に長いため、一般には最後の三文字を取って「宿曜経(しゅくようきょう)」と呼ばれるのが一般的です。
その起源は古代インドにまでさかのぼり、今からおよそ3000年前、知恵の菩薩として有名な文殊菩薩(もんじゅぼさつ)が、天空に輝く28宿を基にした暦法としてまとめたものとされています。
仏教と共に中国に伝わり、平安時代には空海(弘法大師)が日本へ伝えたとされ、朝廷や貴族階級の間で密かに受け継がれてきた歴史があります。
それでは、宿曜占星術のことを見ていきましょう。
目次
- 1 宿曜占星術 占い 相性を27宿で占う
- 1.1 1. 角宿(かくしゅく)
- 1.2 2. 亢宿(こうしゅく)
- 1.3 3. 氐宿(ていしゅく)
- 1.4 4. 房宿(ぼうしゅく)
- 1.5 5. 心宿(しんしゅく)
- 1.6 6. 尾宿(びしゅく)
- 1.7 7. 箕宿(きしゅく)
- 1.8 8. 斗宿(としゅく)
- 1.9 9. 牛宿(ぎゅうしゅく)
- 1.10 10. 女宿(じょしゅく)
- 1.11 11. 虚宿(きょしゅく)
- 1.12 12. 危宿(きしゅく)
- 1.13 13. 室宿(しつしゅく)
- 1.14 14. 壁宿(へきしゅく)
- 1.15 15. 奎宿(けいしゅく)
- 1.16 16. 婁宿(ろうしゅく)
- 1.17 17. 胃宿(いしゅく)
- 1.18 18. 昴宿(ぼうしゅく)
- 1.19 19. 畢宿(ひっしゅく)
- 1.20 20. 觜宿(ししゅく)
- 1.21 21. 参宿(しんしゅく)
- 1.22 22. 井宿(せいしゅく)
- 1.23 23. 鬼宿(きしゅく)
- 1.24 24. 柳宿(りゅうしゅく)
- 1.25 25. 星宿(せいしゅく)
- 1.26 26. 張宿(ちょうしゅく)
- 1.27 27. 翼宿(よくしゅく)
- 2 宿曜占星術で占う相性とは?
- 3 宿曜カレンダー
- 4 まとめ
宿曜占星術 占い 相性を27宿で占う
宿曜占星術の27宿は、月が約27日で天空を一周する周期に基づいています。
本来は28宿(インドではナクシャトラと呼ばれます)が基本ですが、宿曜占星術では「牛宿(ぎゅうしゅく)」を除いた27宿で相性を見ます。
各宿には、性質・人柄・向き不向きなどが象徴されており、生年月日をもとに「本命宿(ほんみょうしゅく)」を割り出すことで、その人の本質がわかります。
宿曜占星術は時代の権力者によって封印されたとの説は有名な定説となっています。
この封印をした権力者こそ徳川家康で間違いないと言われています。
他にも織田信長や豊臣秀吉などが、宿曜占星術を使ってその時代に合わせた行動を取り、運勢を占っていたと言います。
実は、宿曜占星術は相性に関しては本当によく当たる占いだと言われています。
占い師の主観に左右されることなく、まずは自分の宿を認め、そして相手の宿を知るのです。
宿曜占星術には、「27の宿」があります。
1. 角宿(かくしゅく)
角宿生まれの人は、独立心と行動力に優れています。
目標を定めたら迷わず突き進む力があり、先導者やリーダーとして人を引っ張る存在です。
反面、せっかちな面があり、人の話を聞かずに独走することもあります。
2. 亢宿(こうしゅく)
亢宿の人は、芯が強くプライドも高い人物です。
礼儀正しく誠実でありながら、自分の考えを曲げない頑固さを持っています。
慎重で用心深く、計画的に物事を進める力があります。
3. 氐宿(ていしゅく)
氐宿生まれの人は、温厚で思いやりがあり、周囲と調和しながら生きる平和主義者です。
社交性が高く、細かい配慮ができるため人から好かれます。
一方で優柔不断になりがちな面もあります。
4. 房宿(ぼうしゅく)
房宿の人は、華やかさと存在感を兼ね備えています。
美的センスや表現力が高く、芸術やファッションなどで才能を発揮します。
おおらかで面倒見が良い反面、贅沢に走りやすいところもあります。
5. 心宿(しんしゅく)
心宿生まれの人は、感受性が豊かで繊細です。
感情表現が豊かで人の心をつかむのが上手です。
人間関係に恵まれますが、心の中では孤独感を抱えやすい面もあります。
6. 尾宿(びしゅく)
尾宿の人は、活発で元気、負けず嫌いの挑戦者です。
競争心が強く、自分の目標を達成するために努力を惜しみません。
短気でせっかちなところがあるので冷静さを意識することが大切です。
7. 箕宿(きしゅく)
箕宿生まれの人は、明るく社交的で人脈に恵まれます。
話術に長け、交渉事が得意です。一方で気分に波があり、調子に乗りすぎて失敗することもあるので注意が必要です。
8. 斗宿(としゅく)
斗宿の人は、責任感が強く義理堅いタイプです。
努力家で周囲から信頼され、コツコツと物事を積み上げていきます。
執着心が強く頑固になると周囲と衝突しがちです。
9. 牛宿(ぎゅうしゅく)
宿曜占星術では除かれることが多い宿ですが、牛宿生まれの人は落ち着きと忍耐力を持ち、地道な努力で成果を出します。
人当たりが良く、穏やかながら芯の強さを隠し持っています。
10. 女宿(じょしゅく)
女宿の人は、柔軟で人当たりが良く、知恵と適応力に優れます。
人の心を読むのが得意で、社交的です。反面、八方美人と誤解されることもあります。
11. 虚宿(きょしゅく)
虚宿生まれの人は、想像力と知性に富んだ理想主義者です。
孤高の精神を持ち、自分の世界を大切にします。
一方で現実逃避しやすい面もあり、地に足をつけることが課題です。
12. 危宿(きしゅく)
危宿の人は、好奇心旺盛で冒険心があります。
独創的でアイディアマンですが、リスクを恐れずに突っ走る一面があり、計画性が大切です。
13. 室宿(しつしゅく)
室宿生まれの人は、穏やかで誠実、礼儀正しく周囲と調和する調整役です。
家庭的な面があり、信頼を集めますが、感情を表に出しにくくストレスをためやすい傾向があります。
14. 壁宿(へきしゅく)
壁宿の人は、堅実で勤勉、何事も最後までやり抜く責任感の強さが特徴です。
組織の中で信頼されるタイプですが、自己主張が弱く損をすることもあるので注意が必要です。
15. 奎宿(けいしゅく)
奎宿生まれの人は、頭脳明晰で理論派です。
言葉に説得力があり、指導者として人を導く力があります。
完璧主義で妥協を嫌うため、他人に厳しくなりがちな面もあります。
16. 婁宿(ろうしゅく)
婁宿の人は、真面目で責任感があり、安定を大切にします。
誠実で地道に努力するため、信頼されます。
一方で慎重すぎてチャンスを逃すことがあるので思い切りも大切です。
17. 胃宿(いしゅく)
胃宿生まれの人は、陽気で明るく人気者です。
人を楽しませるのが得意で、ムードメーカー的存在です。
ただし調子に乗りすぎるとトラブルを呼び込むので注意しましょう。
18. 昴宿(ぼうしゅく)
昴宿の人は、優雅で表現力に富み、芸術性に優れます。
知性が高く好奇心も旺盛で、勉強熱心です。
自分の信念を貫く意志の強さも特徴です。
19. 畢宿(ひっしゅく)
畢宿生まれの人は、温厚で穏やか、庶民的な魅力を持ちます。
誠実で慎重、頑固な一面もあり、自分の世界を大切にします。
人の意見を聞く柔軟さが成長の鍵です。
20. 觜宿(ししゅく)
觜宿の人は、勤勉で学ぶことが好きです。
理論的に物事を考え、知識を活かす力があります。
細かいことに気がつく一方で神経質になりすぎないよう注意が必要です。
21. 参宿(しんしゅく)
参宿生まれの人は、行動力と大胆さを持ち、逆境を恐れないチャレンジャーです。
指導力もあり、周囲を引っ張る存在ですが、強引さが裏目に出ることもあります。
22. 井宿(せいしゅく)
井宿の人は、穏やかで思いやりがあり、助け合いを大切にする協調性があります。
慎重で人の世話をするのが得意ですが、他人に振り回されやすい面があります。
23. 鬼宿(きしゅく)
鬼宿生まれの人は、頭の回転が速く、アイデア豊富で話術に優れます。
人と違う独創性がありますが、突拍子もない行動に出てしまうこともあります。
24. 柳宿(りゅうしゅく)
柳宿の人は、知恵と柔軟さを兼ね備えています。
人の気持ちを読むのが上手で、協調性がありますが、八方美人と誤解されることもあります。
25. 星宿(せいしゅく)
星宿生まれの人は、カリスマ性があり、注目を集める力があります。
人を惹きつける華やかさと行動力を持ちますが、自信過剰にならないよう注意が必要です。
26. 張宿(ちょうしゅく)
張宿の人は、物事を大きく発展させるエネルギーを持っています。
アイデアを形にする実行力があり、活動的で行動範囲も広いです。
一方で一度に多くを抱え込みすぎないようにしましょう。
27. 翼宿(よくしゅく)
翼宿生まれの人は、自由を愛し、束縛を嫌います。柔軟で社交的、仲間とともに行動するのが好きです。
ただし飽きっぽさが出やすいので、一つのことを続ける粘り強さを持つと良いでしょう。
27宿は一つ一つに深い意味があり、宿曜占星術ではこれをもとに人の本質や相性を詳細に占います。
自分の宿を知り、相手の宿を知ることで、関係性の理解が深まり、人間関係のトラブル回避や発展につながります。
宿曜占星術で占う相性とは?
宿曜占星術を用いた相性占いは、他の占いとは一線を画す大きな特徴を持っています。
それは、「三九の秘法(さんくのひほう)」 と呼ばれる特有の計算法を用いている点です。
「三九の秘法」とは、自分自身の宿(本命宿)と相手の宿が、27宿の円環上でどの位置関係にあるかを割り出し、その距離と関係性から相性を明確に示す方法です。
この方法により、「自分と相手はお互いにどのような縁で結ばれているのか?」という問いに、理論的な答えを導き出すことができます。
宿曜占星術では、人と人の関係性は一つとして同じものはなく、それぞれに独自の作用と影響があると考えられています。
そのため、単なる「合う・合わない」という一言では語れない深い人間関係を読み解けるのが、この占術の魅力です。
この三九の秘法によって導かれる相性関係は、大きく 11種類 に分類されています。
具体的には、
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命(めい)
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業(ごう)・胎(たい)
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栄(えい)・親(しん)
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友(ゆう)・衰(すい)
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安(あん)・壊(かい)
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成(せい)・危(き)
という分類で表されます。
この中で「命」は、同じ宿同士の組み合わせを指し、似たもの同士で波長が合いやすく、気心が知れた関係性を示します。
一方で、命以外の10種類はすべてがペアの形を取り、相反する作用を持つのが特徴です。
たとえば、「業・胎」 の組み合わせは、前世からの深い縁を意味し、互いに引き寄せられる強い引力があります。
一度つながると切れにくく、良くも悪くも一生関わる縁とも言われています。
「栄・親」 の関係は、親子のようにお互いを支え合い、助け合いながら成長していける安定した関係性を示します。
「友・衰」 は、友人同士のように心地よい距離感を保ちながら付き合える関係です。
ただし、衰の作用が強まると、相手の存在が自分にとって足かせになることもあるため、バランスが大切です。
そして宿曜の相性の中でも特に特徴的なのが、「安・壊」 の関係です。
「安」は、心の拠り所となり安定を与える相手を意味しますが、その一方で「壊」はその安定を突如として壊す力を持つ相手を指します。
つまり、あるときは自分にとって心の支えだった相手が、何かのきっかけで一気に自分の状況を壊す存在に変わることがあります。
逆に、破壊の力を持つ相手が、結果として自分に安らぎを与えてくれることもあります。
このように、一方的な作用ではなく、状況や心のあり方によって関係性が揺れ動くのが宿曜相性の奥深さです。
同様に、「成・危」 の関係も似た構造を持っています。
「成」はお互いを成長させ、高め合う相性ですが、「危」は油断すると危険なトラブルを引き起こす可能性をはらんでいます。どちらの側面を強めるかは、当事者の意識次第と言えるでしょう。
宿曜占星術の相性の特徴は、これらの相性が常に 相互作用を持つことです。
単純な「相性が良い・悪い」という枠に収まらず、二人の関わり方や環境、人生のタイミングによって、その関係が良い方向にも悪い方向にも動く可能性があります。
そのため、宿曜の相性を知ることは、ただ結果を知って一喜一憂するためのものではありません。
「相手との間にどんな作用が働きやすいのか」「自分がどのように向き合えば相性をプラスに転じられるのか」という視点を持つことで、より豊かで調和の取れた人間関係を築くことができるのです。
このように、宿曜占星術の相性占いは「三九の秘法」に基づき、単なる運命論を超えて“活かす知恵”として受け継がれてきました。
現代に生きる私たちにとっても、相性を知ることで人間関係のトラブルを未然に防いだり、信頼を深めたりするヒントとなるでしょう。
宿曜カレンダー
宿曜占星術の大きな特徴の一つに、日々の吉凶を知るための 「宿曜カレンダー」 があります。
宿曜占星術では、月の運行をもとに、毎日どの宿に月が位置しているかを割り出します。
これをカレンダーにしたものが宿曜カレンダーです。
宿曜カレンダーの役割
宿曜カレンダーは、単に今日の運勢を知るだけでなく、日取りを選ぶ重要な指針となります。
古来より、宮中の儀式や重要な決定ごと、戦の作戦立案などにも活用されてきました。
良い日を選ぶことで、物事がスムーズに進むと考えられていたのです。
例えば、結婚式や契約、引っ越し、旅行の出発日などを決める際に、吉宿の日を選ぶと良いとされています。
宿曜カレンダーの見方
宿曜カレンダーでは、27宿が順に日々を巡っており、それぞれの宿には「吉」「凶」や「適する行動」「避けるべきこと」などが設定されています。
たとえば、
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角宿の日:物事を始めるのに吉
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畢宿の日:金銭に関することに吉
-
危宿の日:軽率な行動に注意
という具合に、宿によって得意・不得意の分野があり、その日に向いている行動を知ることで、日々の運気を味方につけられます。
宿曜カレンダーの活かし方
現代では、ネットやスマホアプリでも簡単に宿曜カレンダーを確認できます。
ビジネスシーンやプライベートで大事な予定を決めるときに、「今日は慎重に行動しよう」「今日は攻めの日だ」などと心構えを整えるだけでも、結果に違いが出ると言われています。
宿曜カレンダーは、古代から続く「時を選ぶ知恵」を、現代の私たちの生活にも活かせる便利なツールです。
まとめ

宿曜占星術は、古代インド発祥の月の運行を基にした占星術であり、正式には「文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経」という長い名前を持ちます。
知恵の菩薩・文殊菩薩が説いたとされ、仏教と共に日本へ伝わり、平安時代には空海などの高僧により宮中へ伝わったとされています。
宿曜占星術の大きな特徴は、
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27宿でその人の本質を知る
-
三九の秘法で相性を知る
-
宿曜カレンダーで吉凶を知る
という 3つの柱 にあります。
「27宿」 は、月の位置で人を分類し、一人一人の性質や運命を明らかにします。
「三九の秘法」 は、二人の宿の位置関係から、11種類の相性を示し、単なる「良い・悪い」ではない、相互作用のある関係性を教えてくれます。
「宿曜カレンダー」 は、今日がどの宿かを知り、吉凶を活かして日取りを選ぶ、古代から続く暦の智慧です。
戦国時代の権力者が活用したとされるほどの的中率と実践性を持ち、現代においても、恋愛・結婚・仕事・人間関係・事業の決断など、あらゆる場面で役立てられています。
宿曜占星術は、ただ「当てる占い」ではなく、「自分を知り、人を知り、縁を知り、時を選ぶ」古来からの知恵の結晶です。
ぜひ一度、自分の宿を知り、相手の宿を知り、宿曜カレンダーで時を読むことで、毎日の小さな選択をより良い方向へと導いてみてください。